公益社団法人日本オストミー協会  SSKP通巻 第8493号

 8月9日宮崎日向灘を震源とする地震並びに台風10号の被害に遭われた皆様にお見舞い申し上げます。

改めて災害の備えを考える

 8月の宮崎の地震・ゲリラ豪雨による水害・台風に伴う被害など、本当に次から次に起こる災害が多いですが、皆様、災害時への備えはされていますか?以前から災害への備えについては社会適応訓練時におけるWOC講演や支部だよりの中で皆様へお伝えしていましたが、自分の身は自分で守る「自助」、自身の地域や仲間を自分たちで守る共助」、そして、市町村や消防・警察・自衛隊などが行う「公助」に分別されます。特に一番大事なのは「自助」であること。これは、日頃の備え・連絡手段の確保・災害時にあると助かる生活用品などがあります。この3つを用意しておくと便利です

日頃の備え

◎装具類(1か月分)洗浄用品などのアクセサリー類
これを数か所に分けて保管

連絡手段

災害時は固定電話や携帯電話などが使えない状況も考えておく。
安否情報が得られるメールや、各携帯会社が提供している安否確認サービスがあるので、前もって確認しておく。

生活用品

オムツや生理用品、トイレっとペーパー、手袋、サランラップなど最近では今まであった災害をもとに必要だと思われる日用品も数多くネットなどで確認できます。ご自身の生活の中で欠かせないものは何でしょうか?
「共助」の中には災害時のストーマ装具無償提供制度というのがあります。これは災害救助法の適応となった地域の方で、家屋の倒壊等で装具の持ち出し困難な方が対象です。
期間・・災害発生時から約1か月間
受取方法・・いつも利用している装具販売店
販売店の電話番号は控えていますか?
しかし、実際はその装具販売店さんが災害にあっていれば、県外からの提供となるため時間がかかります。やはり、「自助」が大切ですね。
災害にあうと、おそらくパニック状態になります。大切なのは「用意しておく」事だと思います。「あの時言われとったとに」とならないように。
もう他人事ではなく、明日は我が身です。

社会適応訓練in島原

7月27日(土)島原病院にて実施しました。参加者は私と副支部長の小川を含め5名でしたが、メーカーでコロプラストさんやアルケアさんが参加。他にも販売店さんでITIさんが参加されました。
医療講演では島原病院の院長先生である蒲原行雄先生が「おなかのヘルニア」についての講義があり、ヘルニアの種類や症状や予防方法についてお話がありました。私達、ストーマ増設者には傍ストーマヘルニアという合併症がありますが、それ以外にも注意をしないといけない鼠径ヘルニアや臍ヘルニアや腹壁はんこんヘルニアなどがあります。予防は体幹トレーニングが大事だそうです。
トレーニングでも筋トレはダメだそうです。体幹を維持するインナーマッスルを鍛える事が大切だそうです。

インナーマッスル・・・身体の深い部分についている筋肉のことです。インナーマッスルは関節の安定性を高める働きをしており、身体のバランスを保つためには欠かせない筋肉です

皮膚・排泄ケア認定看護師である田中敬子先生(島原病院)での講義では、ストーマと共に充実した毎日を、暑い夏を乗り越えよう!」という題目でのお話がありました。

夏のストーマの管理

車の中に装具を置かない ・汗に苦戦するので装具交換の日数をいつもより短目に目安は面板裏の溶け具合が1cm以上見られる場合は1日早めに交換する

脱水予防

  • 食事、水分の取り方や体重管理も重要
  • 尿路ストーマの方は水分は十分にとる。(1日の目安は1500~2000ml) 

夏バテ予防

ツボの刺激 足の人差し指の裏を押す。自律神経を高める働きがある。


Q:災害時に持ち出す物について、何か参考になるもの
A:たまたまITIさんが災害時のチラシを持っていたので、チラシを差し上げました。また、協会ホームページに「オストメイトカード」が掲載してあるので、是非参考にしてほしいことをお伝えしました。その他、あまり質問というよりは日常生活あーやっている、こーやっているとそれぞれで工夫したりしていることを話されあっという間の1時間でした。

社会適応訓練in佐世保

 8月24日(土)佐世保中央病院にて実施。当日は諫早市議会議員の湯田清美議員と佐世保市議会議員の佐藤議員をお招きし、オストメイトの方々との交流を深め、当事者の声を聞いて頂きました。参加者はご夫婦や親子での参加もあり、計6名でした。
WOC講演では佐世保中央病院の、皮膚・排泄ケア認定看護師の鴨川千香子様より「」の講義がありました。基本的な事から、福祉サービスまで説明して頂きました。まだ、オストメイトとなって日が経っておらず、衣類の選び方や寝る時の横向きやうつ伏せになるにはどうしたら良いかなど、オストメイトのあるある的な質問がありました。交流会でも、まだ病気からオストメイトとなり自分自身との向き合い方に悩んでいる方や、やっと自分自身と向き合える様になったばかりの方などの精神的な苦痛から、趣味的な事をしながら病気の事を忘れる時間を作る工夫をしていること。また、パウチの保管方法で社内に置いている事もあるが、何度ぐらいで面板が使えなくなるのか?の質問に対し、メーカーさんより、はっきりした温度は不明であるが、当日車で来た際保管している所以外での面板ときちんと保管されてあった保護テープを見せて頂きました。実際にテープにはしわがより、少し伸びていました。たった数時間での移動であったが、これでは使用できないと実際に手に取る事ができました。

いざ挑戦(厚生労働副大臣にメッセージよ届け)

8月31日長崎公明党本部に濱地厚生労働副大臣が来られました。

 以前より給付金の事などでご教示頂いている、宮本法広県議と湯田清美市議より要望懇談会があるので是非、要望書を提出されてみてはどうか?との提案を頂きました。昨年は参議院議員の方に提出。今回は厚生労働副大臣となかなかお目にかかることが出来ない方に直接訴えることができるとなればと思い即答でお願いしました。しかし、相手は厚生労働副大臣、何をどういう風に伝えれば良いか、自分一人で大丈夫だろうか?と不安になり、九州ブロックの各支部長へ参加依頼をしました。佐賀・鹿児島県の支部長が参加可能との事で、自分の思いを伝えたところ、両支部長よりどういう風に伝えるか紙面で助言をまず頂きました。また、他にもメーカー・販売店・WOC・会員の方に声掛けし参加依頼をしました。助言を元に自分なりに考えました。1週間ほど前にメーカー・佐賀、鹿児島県の支部長と私の4名でオンラインで打ち合わせを行いました。それぞれで伝えたい事がありましたが、懇談は30分という時間しかなく、その30分で伝えられるよう皆で給付金増額の事と一時ストーマでも給付金の対象となるよう障者手帳の交付の仕方などの方法について訴えよう!と一致団結して当日を迎えました。
事前に要望書は副大臣他各県議や市議の方々には配布されていましたが、当日私は、その要望書とは別の文章を読みました。内容的には要望書と一緒ですが、オストミー協会の活動や実態調査について報告を行いました。各々の方は要望書には書いてないことを私が読んだため、結果的には私が言う事に耳を傾けてくれていました。副大臣も、「前もって要望書をもらうけど、その回答を伝えるだけの議員もいるが、私はそうではなく直接当時者の方々の意見を聞きたい」とおっしゃっていましたので、ある意味私の行ったことは正解だったのかなと思います。当事者の参加者に会員の方でダブルストーマの方に参加して頂きました。事前にその方も自分なりに考えた要望書を作成していました。その中に自分が実際にどれくらい負担しているかの内容を記入されていたので、それも説明してもらいました。実際の金額に皆さん驚いていました。その後、鹿児島県の石澤支部長より給付金の予算は国が50%以内、県が25%以内、市町村が25%以内であるが、色んな予算が組まれ、オストメイトの給付金が対象となる項目だけに以内という文言があるため、実際には国から50%、県から25%の予算が下りていないため、その分を市町村が負担したり、予算がないため増額できない状況にあること。それでも市町村は精一杯やってくれていること、そういう現状であるため、まずはきちんと国が50%出して頂ければ県も25%出すと思う。そうなることで市町村への負担は減り、給付金だけでなく色んな障がいを持っている方に対しての予算が組まれるのではないかと強く主張しました。

副大臣はこの要望書を見て、国はきちんと50%出していると思っていたが、まずはその50%を出すようにしていきたいと思う。県の方でもきちんと25%出せるようにしていきたい。   
まずは持ち帰り何らかの答えをきちんと出したいと言って頂きました。最後に佐賀県の原田支部長より障害者手帳と一時ストーマでの出費の現状を伝えました。副大臣は弁護士でもあるため、その事はよくご存じでした。
現状は法に永続しと記載されているが、現実には手帳が無くても一時ストーマで給付金をもらっている人もいるのであれば、それは各市町村の采配であると考える。それが可能であると考えるなら各市町村への訴えを続けて理解してもらう方が良いとの返答でした。今回、多くの方のご協力により副大臣や各議員の方々との要望懇談会に臨むことができ、自分なりに様々な事を考え、色んな工夫もしました。1人では出来ないけど、多数になると出来る事や人の心を動かすのには大きな力ではなく、やはりそれは心であったことも大きな収穫であったと思います。この要望懇談会への参加に声をかけてくれた宮本県議や湯田議員、また、私の心を支えてくれた参加者全員にこの場を借りて感謝申しあげます。
今回私にとっては大きな挑戦でしたが、色んな方の心が私を支えてくれました。そしで、その心が副大臣には届いたと思います。本当にありがとうございました。
あとは給付金増額になることを願うのみです。

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